日本の雇用流動性は上がっている?

転職 キャリア戦略

日本の転職者比率

日本は高齢化社会、労働力不足の問題が顕在化されています。
一方で実質所得は2023年8月においてもマイナスです。
つまり同じ企業で働いていても物価上昇分のコスト増を補うだけの収入を得ることが出来ません。

日本の雇用主側にとってみれば日本の文化である終身雇用制は給与を上げなくても忠誠心の高い労働力が確保できるメリットがある一方で、現状維持志向の社内政治が得意な経営陣が居座ることになり株主にとってみれば不利益しかありません。

デフレ下であれば上記のような雇用主>雇用者の関係でしたが、これからは微妙にその力関係は変化していくと考えています。

転職者比率ですが、総務省発表の統計2017年と2023年の比較です。

1.日本人全体

2.男性

3.女性

期待は若手・ミドル世代男性や女性の転職者

上記の統計値では総数では転職者比率は大きく変動していませんが変化点もあります。
1)23-44歳の若手~ミドル世代男性の転職者比率の増加
2)女性の転職者比率は男性よりも高い
3)55歳以降のシニア世代は男性、女性とも転職者比率が増加

ミドル世代の学びなおしやリスキリングが現在人気になっているようですが、これは転職を前提したものではなくあくまで所属企業でさらに活躍するために励まれている従業員が多いことになります。
(リスキリングは雇用主の組織変化に伴う新たなスキル獲得と言う側面も強いので)

もし学びなおしして転職と考えられいる方は55歳以降のシニア世代での転職に向けて長期的にやられた方が良いですね。
求人企業がミドル世代以降に求めるのは間違いなく経験を重視しますので。


ポジティブな傾向としては若手~ミドル世代男性及び女性の転職者が増加していることです。

辞めたくなかったのに転職せざる得ないと言う理由の方も一定数いることは理解していますが、日本社会において雇用の流動性が高まる事で社会全体で大きなメリットが生じます。

雇用の流動性が高まることによる経済全体のメリット

・プロフェッショナル人材の流動化による労働生産性の向上
・雇用者が雇用主側・経営側と対等な関係の構築
・給与の上げれない、労働生産性の低い企業の市場撤退を促進
・現状維持、やる気のない労働者の排除

日本は少子高齢化により労働力不足が顕在化していますよね?
これを知って皆さんはどう思いました?
「良かった。これで私は今まで通り食っていけるし、定年まで大丈夫だ」
「もしかすると私の経験・スキルは他の企業が欲しがっているのでは?もっと給与貰えるのでは?」

先ほど述べた通り日本は実質所得がマイナスが続いており、確かに長い局面では落ち着くかもしれません。一方で企業がこれから継続的に従業員の給与を上げるには付加価値を高める、労働生産性を高める活動をしていく必要があります。

労働力不足で現従業員を確保する必要もありますが、それだけやっていては企業は付加価値も高められず結果的にこれ以上の雇用者も確保できない事となり、市場から撤退していくことになります。
(つまり、そこで働いている従業員の方も職を失います。)

雇用主側が外部環境の変化に対応しないのも一つの意思決定ですが、雇用者側が積極的な変化をおこなうことで社会全体が良い方向に向かい、結果的に収入が増加する事を期待しています。
今の若手~ミドル世代の方や女性の方は柔軟性、ポテンシャルがあり優秀だなと感じることが多々あるので彼らに期待です。

是非、どのような経験とスキルを高めて、どのようなポジションでキャリアを構築していくのか長い視点でご自身で整理してする事をお勧めします。

また、雇用流動性と言う点では転職だけでなく副業等もあるため総合的な雇用流動性はもっと多面的に検討する必要があります。

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