次に事例Ⅰのレイヤー毎にいくつか重要な1次知識です。
重要なのは本番でも直ぐに頭の引き出しから出てくるよう簡素に構造化する事です。
下記、ファイナルペーパーでまとめた内容を共有します。
定番「幸の日も毛深い猫」+「達美食」
下記は人事制度、組織活性化、企業文化のレイヤーに対する回答(施策+効果)をまとめたものです。
人事制度 :サチノヒモ
組織活性化:ケブカイネコ
企業文化 :ビショク
与件文の内容からどの施策を助言すべきか、そしてその施策によってどのような効果を期待できるのかをしっかり回答文に盛り込みましょう。
項目 | 施策(回答内容) | 効果(回答内容) | |
サ | 採用・配置 | ・最適な配置(専門知識を活かせる、多様な人材を活用) ・優秀な人材の(役員・幹部)登用、シニア再雇用、女性社員活用 ・経営理念を訴求した採用活動 | 組織活性化、 業務意欲向上、 従業員満足度向上、 採用率向上 |
チ | 賃金・報酬 | 業績に応じた成果報酬制度、成果主義導入 | 士気向上、貢献意欲向上 |
ノ | 能力開発 | ・小集団活動、計画的な OJT 教育、OFF-JT 研修・教育、社外機関との共同研究・開発、ジョブローテーション ・後継者・幹部育成 | 能力向上、 外部ノウハウの獲得、 士気向上 |
ヒ | 評価 | ・公平な評価制度、長期的な取組に対する公平な評価、男女公平な評価、部門間連携を評価 ・MBO(目標管理制度)、社内表彰制度 | 納得感を高め士気向上 |
モ | モチベーション、士気 | 効果:組織活性化、業務意欲向上、従業員満足度向上、貢献意欲向上 | |
ケ | 権限移譲 | 〇〇を権限移譲、○○の裁量権を与える、 社内提案制度、リーダー登用制度 | 自主性、○○意欲を高める (研究意欲や挑戦意欲) 意思決定迅速化 |
ブ | 部門設置 | 子会社化、別会社化 組織変更(事業部組織等) プロジェクトチーム(短期的、案件毎) | 専門化による環境変化、 顧客対応力向上、 事業迅速性の向上 |
カイ | 階層化 | 職務充実(自律的に仕事出来るよう管理業務増やす) 職務拡大(業務増やす(拡大)) | 自律性向上 士気向上 |
ネ | ネットワーク化 | 外部企業との連携、共同プロジェクト、共同開発 | 外部ノウハウの獲得、 組織活性化 |
コ | コミュニケーション・交流 | 定期会議、事業間、部門間、従業員間連携。 交流促進、柔軟な人員配置 | 連携強化、 ノウハウ共有、 シナジー効果の追求、 組織活性化 |
タチ | (タ)短期的、(チ)長期的 | ||
ビ | ビジョン(将来あるべき姿) | トップ自らビジョンの説明、共有 後継者・幹部候補の育成 | 共通目的や危機感の浸透、一体感の醸成 |
ショク | 職場環境 | 働きやすい職場環境 (育休、フレックスタイム制度、テレワーク制度) | 定着率を高める |
少し補足を追記します。
外部環境変化に対する対応力の施策の例
→フリーランスや外部人材が持つ専門性を活用
(組織の柔軟性も向上)(急成長で中間管理職育成が追いつかない場合)
→若手人材の育成(次代を担う人材育成)や幹部登用
ビジョン・事業領域の明確化(経営力向上)する効果はなに?
→効果①企業の意思決定の焦点となる(判断基準の明確化)
→効果②経営資源蓄積の指針
→効果③組織の一体感醸成
他に環境変化の際に見直すのも有効、重要点は経営理念・ビジョンを再構築し経営戦略と整合性を持つこと
重要キーワード一覧
レイヤー | 項目 | 特徴 | 回答文例 |
組織構造 | 混成チーム | シナジー効果 知識・ノウハウの共有 ・人材の効率的な活用 ・市場の変化への対応力 ・製品領域の拡大(与件文から) | ~で〇〇力の強化 ~で〇〇力の共有 が可能 が高い が可能 |
組織構造 | 兼任 (役員が部門長兼任) | ・意思決定の迅速化 ・権限責任の明確化 ・後進の育成 | |
組織構造 | 機能別組織 | 【メリット】 ・専門性の追及(で業務効率の向上等) ・業務効率の向上 ・命令一元化の原則で統制が取りやすい ・業務集中による規模の経済性が発揮 | 【デメリット】 ・外部環境の変化(ニーズ多様化など)に対応できない ・組織が硬直化しやすい (機能間の連携や情報共有が停滞) (官僚制の逆機能) ・利益責任が不明確 (生産や購買機能の管理者に 利益責任を付加しにくい) ・管理者の負担が重い |
組織構造 | 事業部制組織 | 【メリット】 ・事業部ごとの利益責任が明確化 ・事業部単位で迅速な意思決定、活動、 事業環境の変化に柔軟に対応できる。 ・事業部長に大幅な権限委譲でトップの負担を軽減 ・管理者としての教育や育成、 次世代の経営者の育成 | 【デメリット】 ・人材や設備の経営資源の重複 によりコスト増加、非効率的 (事業部ごとに営業等の機能重複) ・分権が行き過ぎると排他的な 組織セクショナリズム ・各事業部の狭い視野、 短期的な利益追求、長期的視野 の欠如 |
組織構造 | マトリクス組織 (機能別×事業部別) | 【メリット】 ・経営資源(人材、情報)の有効活用 ・組織活性化、コミュニケーション活性化(情報共有) ・新しい経営課題への対応などを機能別で連携を取りながら行う (高い専門性の維持と組織硬直化の対応) ・人材の複数の役割で有効利用 | 【デメリット】 ・命令系統が不明確になりやすい ・複数の管理者間で意見の対立や権力争い |
組織構造 | 分社化 (専門事業化会社) | 【メリット】 ・利益責任の明確化 →効率的な経営資源配分 ・専門性の発揮 →独自の組織文化の醸成 ・意思決定の迅速化 →新事業、環境への対応力 | 【デメリット】 ・既存事業とのシナジー効果が低いまたは得られない ・セクショナリズムの発生 ・交流がなくなり、組織活性化が弱まる |
組織構造 | プロジェクトチーム (臨時・一時的) 全社的な特定課題を 達成するため、各部 門からメンバー招集す る臨時的な組織 (達成後、解散) | 【メリット】 ・市場変化に対し、迅速で柔軟な対応が できる。 ・柔軟な適材人員を招集でき、幅広い分 野に専門的な能力を活用 ・明確な目標設定で組織活性化 | 【デメリット】 ・プロジェクト単位(臨時)のため、ノウ ハウや知識の蓄積困難 ・長期的視点の欠如 ・命令系統の不明確化 ・既存組織とのコンフリクト発生 |
組織構造 | プロジェクトチーム問題点(令和3年) | 【問題点】 ・受注獲得後に都度プロジェクトチームを組成 | 【本来あるべき姿】 ・営業力が弱いため、継続的なプロジェクトチーム活動で、受注制約をする |
組織構造 | ネットワーク組織 | ・人や組織が対等な関係で緩やかな提携関係を持ちながら結ばれている組織形態 ・異業種交流や業務提携による共通仕入れや共同研究開発がある | |
組織構造 | 社内ベンチャー制度 | ・新事業開発のため社員アイデアを募り、実現を図る。 | ① 新事業部門設置 ② 社員をその事業部トップ配置 |
組織構造 | ファブレス体制 (外部連携・ 外部ネットワーク) | 【メリット】 ・ニーズ変化に柔軟な対応 (ニーズ対応力高い) →投資不要でニーズに合わせ工場選び ・コア業務・機能に経営資源を集中差別化(商品企画や開発機能) 【成功の重要事項】 ・信頼関係の構築・維持 ・委託先に丸投げしない ・関係性継続に投資も努力も惜しまない ・パートナーとの良いコミュニケーションを継続し高付加価値化を図る | 【デメリット】 ・生産管理・品質管理がしにくい (品質の担保) ・情報漏洩リスク ・生産ノウハウの蓄積が出来ない |
人事制度 | 成果報酬制度 | 【メリット】 若手を中心とした組織の活性化 若手のモラール向上 人件費の変動費化 優秀な人材の流出防止 【導入の際の留意点】 ・公平公正な評価制度 ・部門間連携 ・長期視点の活動を評価 ・納得感・社員への動機 | 【デメリット】 ・短期的視点になりやすい ・個人主義になりやすい ・社歴の長い社員の士気低下 ・協調性・帰属意識の低下 |
人事制度 | 年功序列型給与 | 【メリット】 ・長期的な視点での教育が可能 ・離職率低下 | 【デメリット】 ・人事評価の納得性低い ・労働意欲低下の恐れ |
人事制度 | ミドルクラス マネージャー能力開発 | 【求められる能力】 ・マネジメント能力(現場レベル) ・リーダーシップ(現場レベル) ・人材育成力 ・コミュニケーション能力 (トップマネジメントとメンバーのパイプ役) | |
人事制度 | 採用 | 【新卒採用】 ・将来の幹部候補育成 ・ノウハウ蓄積・小計 ・柔軟な視点 ・人件費抑制 ・教育・能力開発コストが掛かる | 【中途採用】 ・即戦力 ・(外部)経験者ノウハウ活用 ・教育コストの抑制 |
その他
新規事業のよくあるパターン
・組織:専門部署設置で、権限委譲し、ニーズ収集・新商品開発のために他部門とコミュニケーション強化(定例会議など)
・人事:〇〇強化の研修、〇〇による士気向上
事業再構築(業態転換等)
・自社が競争優位に立てる事業領域へ進出
・事業の継続と成長に寄与
・売上増加以外の効果 → 既存事業シナジー、従業員の意欲・士気向上、技術力・製品開発向上
その他
・人材確保の施策:新卒・中途・女性・シニアの採用、モラール向上と能力向上で人材育成、環境整備で人材流出防止
・大口取引先(依存度が高い):リスク大・経営不安定化、交渉力が低下(弱い立場)、営業力が低下(営業しない)
・フリーランス人材の活用(専門性)
・ビジョン=経営判断のより所
・越境 EC の利用による販路拡大
さいごに
以上、事例Ⅰのまとめでした。
是非、本番でも瞬発力ある思考が出来るよう、これらを参考にファイナルペーパーをご自身で作成し頭の中を整理してください。
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