インフレ下における従業員と経営者の関係
私は現在製造業ではない企業の経営者ですが、最も時間を費やすのは最も重要な経営資源である人材に対する施策です。
オーストラリアではそもそも人件費が高く、またインフレ環境下のため賃金上昇を前提とし如何に事業継続可能な事業戦略を策定する必要があります。
よって、従業員には毎年少しでも成長して頂くと共に経営者である私は彼らのやる気を引き出し、仕事が楽になる仕組みを作りを構築し、一緒に企業を大きくして頂く必要があります。
重要なのは以下のような考えの経営者はインフレ、労働力人口不足の環境下では通用しない事です。
「従業員は給与貰ってるんだから言われてることだけやれ」
「従業員は同じことをやってるだけだから給与上げる必要はない」
日本の経営者に多いタイプですね。
日本のラノベで奴隷を好んで使う背景は日本人が日系企業の雇用契約が奴隷関係に近い事を理解しており、会社では一従業員として奴隷状態だが、ラノベの中では自分はご主人様になれると言う救いを求めているのかもしれません。
でも、断言します。
あなたは現実でも正しいキャリアプランを実行すれば優秀な管理職、経営幹部、経営者になれます。
(これ以上言及しませんが、人類の歴史の中で「奴隷」は忌諱すべき行為であり、私はこの言葉を使う事すら嫌いです。)
会社は従業員を育成する必要はあるのか?
本日は若手従業員から管理職向けの内容です。
皆さん、こちらの動画を観た事ありますか?
さて、質問です。
「会社は人材を育成する必要はありますか?」
「管理職は部下を育成する必要はありますか?」
また、現時点においてあなたは会社から何かしらの育成を受けていますか?
もしくはあなたは部下を育成していますか?
答え
答えになりますが、部下の育成が必要か、不必要かは。
経営者が決める事です。
職務未経験でも可能な仕組みを構築している企業であれば、従業員の育成は必要ありません。
一方で他社が模倣できないような業務のやり方により差別化が可能となり圧倒的な高い利益を上げている企業であれば長い時間を掛けて育成を行う必要があります。
つまり、仕事のやり方も人材育成も企業戦略に基づき決定されるものであるため、若手従業員も幹部職もそれを理解した上で育成を受ける、する、そして求められる成果を上げる必要があります。
さて、あなたは経営者から人材育成に関する明確な方針、説明を受けていますか?
若手従業員の方は「これからどういうスキルを学び、数年後に担当する具体的な職務が容易にイメージ出来る」
管理職の方は「部下に対して育成を行う内容、計画の具体的なプランを受けて明日にでも活動できる」
どうです?
管理職の方は「経営陣からそれを作るのが管理職だろ?」とか言われていませんか?
経営陣は具体的にやり方がないのに管理職に丸投げ、そして管理職も人事育成のスペシャリストなんてほとんどいないので結局素人の域しかでません。
やる気ない部下の育成と業務上必要な職務教育は別問題
この動画の中で田端さんが指摘している「やる気ない部下」の「育成」に関しては少し違和感があります。
また、管理職の方が悩んでいる部分は本来管理職個人の能力で解決できない部分があります。
順を追って説明していきます。
①経営者の責任について
従業員は何もしなければ士気が上がる事も企業に対する貢献意欲が上がる事はありません。
また、それを管理職に求めるのは経営センスがありません。経営辞めた方が良いです。
これは会社の土台である企業文化、人事制度を設計、そしてあなたが積極的に従業員へ接し彼らに理解して頂く必要があります。
「命令」ではありません。「理解と共感」が重要なのです。
人間は納得感が得られない事に対して行動力が著しく落ちる生き物なのです。
それが嫌なら流行りのAIであなたの企業の企業活動を全てAIで処理できるよう替えてください。
②管理職の責任について
あなたはある機能、部門のリーダーです。
企業の中では何名かのスタッフの上長であり、彼らと一緒に仕事を行い企業が求める成果を上げる必要があります。
前提として経営者が十分な施策、企業風土を構築している、していない場合で悩む事項が大きく変わります。
しかしながら、あなたは少なくとも管理職として相応しいリーダーシップ、コミュニケーション能力を備え、且つ部下を導くスキルを持っている必要があります。
最近はハラスメントを意識するあまり部下との接し方に悩まれている日本人が多いとの事ですが、まずはあなたが部下に期待することを明文化し、部下とコミュニケーションを取りながら共通目標を設定する事が重要です。
「あやふやな要求」や「押し付け」では駄目で、相手から合意を取ることが非常に重要なのです。
同じことをあなたの子供に出来ますか?あなたの押し付けで子供は幸せですか?
よく考えてください。相手はあなたと同じ人間です。
それでもあなたの部下が「やる気が出ない」「また成果が出ない」のであれば、あなたは人事権を行使もしくは人事部と対処を行ってください。それ以上にあなたの時間を費やすのは会社にとってマイナスでしかありません。
※この辺りはコーチングスキルに関連する内容なので詳細は省き、別途用意します。
③部下の責任について
さて、企業、あなたの上司が従業員に対して十分な施策を与えており、他の従業員、あなたの同僚がやる気を出している中であなたは共感も得ない、仕事やる気が出ないのであれば転職を検討した方が良いです。
おそらくその会社に合っていないです。
全てを相手に求めるのは間違っており企業、上司はあなたの家でも両親でもありません。
あなたは適切な成果を出す必要があるのです。
一方で企業、上司から十分な施策がなく、やる気が上がらず仕事するのが苦しいのであれば、一刻も早く他の会社に移るべきです。
個人で成長も可能ですが、仕事をする事での成長と自分が頑張って成長を掛け合わせた成長がベストです。
部下の育成が悩むならジョブ型雇用人事システムが一つの解決策
今後、日本の雇用システムが雇用流動化が進んでいくのであれば、管理職が悩むポイントは変わっていくだろうと予想しますが、すくなくとも部下の育成に関しては以下を企業と管理職が用意すべきであと考えています。
・各職務(各ポジション)に対する職務要件内容(職務要件書)
・職務実行に求められるスキル要件(スキルマトリックス)
上記はいずれもジョブ型雇用で必須のものです。
日本は職人による匠技、仕事は見て盗めと言ったことを尊きものとしますが、あなたの企業が匠技で食べているのであればそれで良いのですが、違うのであれば明文化は必須です。
世代が異なる人材はもはや外国人と同じです。
違う考え、アイデンティティを持った人材と協業するのであれば、相手も理解できるように明文化する事が大事です。
さいごに 経営者の方へ
部下、管理職の方は日々人間関係で悩んでいます。
悩んでいる彼らは無能であると考えるのは辞めてください。あなたが経営者として無能なだけです。
経営者は彼らの悩みを取り除き、業務遂行が容易となるよう努める必要があります。
従業員へ多くを求めすぎる経営者が多すぎる。
これから日本経済は優秀人材の取り合いが起こります。
日本人は多国籍人材の経験値も低く、英語もまともに話せない、そして日本の国際的に低い賃金水準と、これからはますます外国人材の国内流入は期待出来ません。
逆に若い日本人は高い賃金、働きやすい職場環境を求めて海外に流出するリスクもあります。
あなたが非常な優秀な経営者であり1人で全てをこなせるのであれば、そもそも従業員は必要ありません。
しかしながら、多くの企業活動を従業員が行っているのであれば真摯に向き合い経営活動をし優秀人材を確保する必要があります。
日本経済と一緒に沈んでいくか、グローバル環境下で高く成長していくかはあなた次第です。
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