事例Ⅱはマーケティング事例で毎年企業が様々な業種とテーマが大きく変わります。
事例Ⅰ、Ⅲとの違う点を理解した上で勉強にも取り組んでください。
「事例Ⅱは地上戦。事例Ⅰ、Ⅲは空中戦。」
この違いが分かれば合格に近づきます
基本的な事項
1.基本的な流れ
事例Ⅱは基本以下①→②→③の流れです。
①環境分析(SWOT分析)→
②基本戦略(ターゲティング、セグメンテーション、ポジショニング)→
③具体的施策(4P等)
2.基本的思考フレーム
この2つのフレームは絶対に抑えておく必要があります。
「ダナドコ」&「デモジオサイコ」
「誰に、何を、どのように」+効果⇒ターゲット(誰に)+4P(Product(何を)、Place・Price・Promotion(どのように))売上・利益向上が目的
※売上=客単価(平均商品単価×平均買い上げ点数)×来店客数(顧客数×平均来店客数)
→単価のアップ・買う点数増やす・新規顧客の獲得・既存客の維持
3.3つの顧客
①新規顧客 ②既存顧客 ③従業員
4.製品
①既存製品LTV(Life Time Value) ②新規製品
重要ポイント
①SWOT分析
強み(内部環境) | まだ活用していない経営資源は強みの優先順位低い(それを活用するのが課題) |
弱み(内部環境) | 特になし |
機会(外部環境) | 協業可能性ある企業いても、相手から誘いがないと機会の優先順位低い |
脅威(外部環境) | 過去、脅威でも現在の標的市場で競合していなければ脅威ではない。 (設問が現在の脅威の場合) |
潜在的要素 | 回答で使えるものは与件文に”潜在”などマークしておく事 |
最近の事例Ⅱ傾向として与件文のボリュームが増えており、事例企業の強みが沢山出ていたり、使えそうな機会が沢山あり、回答文の文字数ではすべて書くことが出来ない場合があります。
よって、強みや機会の重要度を付けることが必須のため、ご自身で強みの優先順位を決める基準をぜひ作ってください。
②事例Ⅱは具体的な内容を書かないと加点されない。
事例Ⅱはマーケティング事例であり、具体的な商品、具体的なサービスを取り扱うため、回答も具体的な提案、助言が必要となります。(高付加価値と言った言葉よりももっと具体的な内容です。)
「事例Ⅱは地上戦。事例Ⅰ、Ⅲは空中戦。」であることを意識してください。
③社長の思いは絶対無視するな。どこかの回答で使う。
④強みと機会はワンセット。機会に合う強みを活かして差別化!
⑤コミュニケーション戦略は”双方向”でおこなえる施策
コミュニケーション=双方向。(IMなどで双方向なやり取りで顧客ニーズ収集して製品開発 等)
回答の方向性
事例Ⅱのマーケティング戦略はざっくりですが、以下のような方向性が多いです。
最終目標 | 売上向上(客単価×来店客数)、顧客満足度の向上 |
道筋 | 差別化、関係性強化、固定客化、ブランド向上、顧客満足度向上、ニーズ対応、地域繁栄(地域活性化) |
施策 | こだわりの〇〇、イベント開催、御用聞き・宅配サービス、DM送付、店内POP、口コミ活用、HPやSNS活用、インターナルマーケティング、双方向コミュニケーション |
全体構成
分類 | 項目 | 内容 |
経営戦略 | 成長戦略 | 市場浸透、市場開拓、新製品開発、多角化 ※多角化はシナジー効果が重要 |
経営戦略 | 競争戦略 | 差別化、集中 |
ターゲット | デモグラフィック | 性別、年齢、世帯 |
ターゲット | ジオグラフィック | 全国、県内、市内 |
ターゲット | サイコグラフィック | 高級志向、高品質、健康志向、食に敏感、伝統に興味、安心安全 |
ターゲット | ポイント | 顧客層が拡大している市場が基本、大手とすみ分けできる層を狙う |
4P | Product(製品) | 高付加価値、共同開発・地域産業と連携、品揃え強化(フルラインアップ、絞り込み)、関連購買促す |
4P | Place(チャネル) | 直販/OEM、企業間連携(水平的・垂直的)、直営店・インターネットでの販売(商圏拡大)、外注(アウトソーシング) 直販メリット:顧客ニーズ把握→商品開発、ブランド訴求 OEM メリット:安定売上、製造に集中しノウハウ蓄積、営業経費の削減 |
4P | Price(価格) | 会員割引・家族割(新規来店増、顧客関係性強化、リピート率向上)、高価格戦略 |
4P | Promotion(販促) | インターネット(定期メルマガ、ブログ、SNS、掲示板)、店舗で POP・チラシ、顧客情報収集→DB 化→DM 送付・RFM 分析・FSP 導入、レンタル・宅配・アフターサービス・ポイントカード ⇒効果:来店客数増加、客単価増加、関係性強化、固定客化、口コミ誘発、新規顧客獲得 |
4P | ポイント | 特に製品とプロモーションが頻出問題 ※Promotionは広告、パブリシティ、人的販売、販売促進 |
注意:製品戦略と問われたら、他の4P(Place,Price,Promotion)を回答しては駄目ですよ
品揃えや高級品等など製品に関わる回答をしてください。
補足
プロモーション戦略:広告、パブリシティ(プル型) vs 販売戦略:人的販売、販売促進(プッシュ型)
製品ライン:幅(異なる製品・サービス)
製品アイテム:深さ(同じ製品で味、料など変えたもの)
ブランド
効果
・知名度の向上、顧客との関係性→企業ブランドの強化
・地域ブランド:地域としてのブランドを高めることで、地域産業にもメリットを生む
ブランド戦略 | 既存製品 | 新製品 |
既存ブランド名 | ライン拡張戦略 | ブランド拡張戦略 |
新ブランド名 | マルチブランド戦略 | 新ブランド戦略 |
ブランド構築・維持の取り組み(白書から)
①ブランドメッセージの発信
②自社ブランドの立ち位置把握
③ブランドコンセプト(ターゲット、提供価値)の明確化
その他
・ブランド要素:企業ロゴ・マーク、商品・サービスの固有名称
・商品・サービス開発の重要点→顧客の声に耳を傾ける(ニーズ収集)
サービスの特性
・無形性(可視化→無料体験、紹介制度、イメージ映像・パンフレット作成)
・非均一性(標準化→マニュアル化、教育、機械化)
・同時不可分性(在庫化→動画・ライブ配信、需給管理→予約システム、時間割引、繁閑状況の情報公開)
マーケティング施策
施策 | 方法と目的 | 効果 |
1.双方向コミュニケーション | ①SNS、レシピコンテストで口コミ誘発 | 顧客と関係性強化 顧客ロイヤルティの向上 |
②IM(Line等)、掲示板、BBSで双方向交流、サンプル提供でニーズ、情報収集 | 愛顧向上 | |
2.情報の発信 | ①HP上で写真・動画の商品紹介 | ブランド価値向上 |
②イベント情報の発信 | 安心感アップ | |
③社長、社員、店主ブログ | 商品認知度向上 | |
④紹介制度 | 新規顧客獲得 | |
3.定期的な接触 | ①クーポン発行 | リピータ獲得 |
②メールマガジン | 購買回数アップ | |
③個別販促メール | 客観たアップ | |
④在庫情報、空室情報の発信 |
よくあるパターン(セオリー)
<インターナルマーケティング>
モチベーションアップ、能力開発(、標準化・マニュアル化)→従業員満足度向上→サービス品質向上→顧客満足度向上
<コミュニケーション戦略>
双方向コミュニケーション活性化→顧客関係性強化→顧客満足度向上→口コミ促進・誘発→新規顧客獲得
その他
関連1次知識です。
・顧客生涯価値=購入金額×購入頻度×利用年数
・PPM:金のなる木、花形、問題児、負け犬
・過去の成功事例、他社の成功事例は当社にも有効
・提案、助言は「どのように+効果」
・施策例:DM 送付、チラシ・POP、サンプル配布、店頭デモ、展示会、体験、ポイントカード、イベント(試食会、料理教室、PR イベント、スタンプラリー、地域・行政と連携)
・アンゾフ製品・市場マトリクス=市場浸透戦略、新製品開発戦略、新市場開拓戦略、多角化戦略
・無形固定資産の 4S
スケーラビリティ(Scalability) : 大規模にしやすい
サンク性(Sunk) :埋没コストが高く回収しにくい(固定資産と異なり中古価格で売れないので)
スピルオーバー(Spillover) :波及効果が高い
シナジー(Synergy) :シナジー効果が高い
是非、本番でも瞬発力ある思考が出来るよう、これらを参考にファイナルペーパーをご自身で作成し頭の中を整理してください。
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